アレルギー(IgE)と不耐性(非IgE)の「決定的」な違いと、「タンパク質」「甲殻類」の意外な関係性
アレミッケの不耐性検査をご利用のお客様から、非常に多く、また非常に重要なご質問をいただきます。
「私は医療機関で『そばアレルギー』と診断されています。だからアレミッケでも当然『そば』がレベル3で表示されると思っていましたが、結果が出ませんでした。これは何故ですか?」
「甲殻類アレルギー持ちなので、レベル3になるはずですよね?」
この疑問は、検査結果をどう読み解くかにおいて最も重要なポイントです。
結論から申しますと、医療機関で診断される『アレルギー(IgE)』と、アレミッケが検査する『不耐性(非IgE)』は、体の反応メカニズムが全く異なるため、その結果は必ずしも一致しません。
今日は、この「なぜ一致しないのか」という理由と、アレミッケの検査がどのように皆様の健康管理に役立つのかを、詳しく解説します。

1. 根本的な違い:免疫の「攻撃」 vs 消化の「問題」
まず、この2つがどう違うのか、簡単にご説明します。
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① アレルギー(IgE反応)
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これは、体の「免疫システム」が、特定の物質(アレルゲン)を"危険な侵入者(敵)"だと誤認し、IgE抗体というミサイルで「攻撃」している状態です。
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症状は、蕁麻疹、呼吸困難、アナフィラキシーショックなど、即時性・危険性を伴う激しい反応です。
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これは医療機関でのみ診断・管理されるべきものです。
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② 不耐性(非IgE反応)
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これは、免疫の「攻撃」とは別のものです。
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体が特定の物質を「うまく消化・吸収できない」または「体に蓄積しやすい」といった、「消化・吸収システムの問題」によって引き起こされる体質と言われています。
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症状は、疲労感、頭痛、肌荒れ、お腹の張り(膨満感)など、遅延性・慢性的な不調として現れることが多いのが特徴です。
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ご覧の通り、「免疫の攻撃」と「消化の問題」は、全く別のメカニズムです。
ですから、「そばアレルギー(IgE)がある」ことと、「そばの不耐性(非IgE)でレベル3が出る」ことは、イコールではないのです。 (重篤なそばアレルギーをお持ちでも、不耐性検査では「該当なし」と出るケースもございます)
2. なぜ「タンパク質」は両方に出やすいのか?
しかし、ここで次の疑問が出てきます。 「そうは言っても、うちの子(犬・猫)は鶏肉アレルギーで、アレミッケでも鶏肉がレベル3でしたよ?」
これは非常に鋭いご指摘です。 アレミッケのこれまでの検査実績(犬猫含む)から、「タンパク質類(鶏肉、牛肉、卵、乳製品、大豆など)」は、アレルギー(IgE)と不耐性(非IgE)の両方で問題として表れる(=合致するように見える)可能性が高い傾向があると感じています。
その理由は、タンパク質が「両方の反応の“主役”になりやすい」からです。
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アレルギー(IgE)の原因は、そのほとんどがタンパク質です(体が敵と誤認する対象です)。
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不耐性(非IgE)の原因としても、タンパク質は分子構造が大きく複雑なため、「消化・吸収の負担」になりやすいのです。
タンパク質は、アレルギーの「攻撃対象」にも、不耐性の「消化負担」にもなりやすいため、結果として両方の検査で引っかかる(合致する)ケースが他の食材より多く観測される、と考えられます。

3. 【ケーススタディ】「甲殻類」が教えてくれる"不調の真実"
では、冒頭の質問にあった「甲殻類(エビ・カニ)」はどうでしょうか。 これもタンパク質ですが、実は「甲殻類」は非常に特殊なケースであり、他のタンパク質よりも「ズレ」が起こりやすい食材です。
「エビを食べると不調が出る」という方でも、その原因は一つとは限りません。
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アレルギー(IgE)
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エビのタンパク質「トロポミオシン」に対する、即時性の危険なアレルギーです。
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ヒスタミン不耐性
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エビ・カニは「ヒスタミン」という化学物質を多く含みます。これが体内で許容量を超えると、アレルギーそっくりの蕁麻疹などを起こします。これは免疫の「攻撃」ではなく、「化学物質」への反応です。
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添加物(亜硫酸塩)不耐性
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これがアレミッケの検査で非常に重要な点です。
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冷凍のエビや加工品には、変色を防ぐために「亜硫酸塩(酸化防止剤)」が使われていることが非常に多いです。
- この「亜硫酸塩」に不耐性を持つ方が一定数います。
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4. アレミッケだからこそ分かる「本当の原因」
ここで、アレミッケの検査結果の例を見てみましょう。
「自分はエビがダメだ」と思い込んでいるお客様が検査をした結果、
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「エビ」:レベル該当なし
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「亜硫酸塩(添加物)」:レベル3
と出ることがあります。
これは何を意味するでしょうか? そのお客様の不調の「真の原因」は、エビのタンパク質(アレルギー)ではなく、エビに「添加物として使われていた亜硫酸塩」であった可能性が極めて高い、ということです。
これこそが、医療機関のアレルギー検査(IgE)では見つけることができず、【食物・飲料・添加物】850項目以上を網羅するアレミッケだからこそ分かる「不調の隠れた原因」なのです。

結論:アレミッケは「別のアプローチ」で原因を探るツール
アレミッケの不耐性検査は、医療機関で行うアレルギー検査の代わりには絶対になりません。
アレルギー(IgE)の診断・管理は、必ず専門の医療機関で行ってください。
アレミッケは、アレルギー検査とは全く「別のアプローチ」から、 「なぜか分からない慢性的な不調」 「自分でも気づいていない、消化・吸収の負担」 「添加物など、食材そのものではない隠れた原因」 を探るための、新しい「食生活の見直しツール」です。
ご自身の体質を深く知るための「新しい指標」として、この検査結果をご活用いただけますと幸いです。