不耐性改善ガイド
USA フードサポート担当 吉岡真紀
1.はじめに:愛犬のつらいアレルギーとの闘い
20年ほど前、私の愛犬「海」は、子犬の頃から胃腸が弱く、下痢や血便を繰り返していました。海は成長するにつれて、足をかゆがり、舐め始め、毛が抜けるようになりました。動物病院では胃腸炎や皮膚炎と診断され、薬やシャンプーを処方されましたが、根本的な解決には至らず、海の症状は改善しませんでした。
ある時、獣医師からアレルギーの可能性を指摘され、検査を勧められました。藁にもすがる思いで検査を受けようとした矢先、両親の健康状態が悪化し、愛犬2匹(ジャックラッセルテリアの海とティン)を連れて急遽カリフォルニアから日本へ帰国することになりました。
海にとって慣れない日本での環境は、大きなストレスだったのでしょう。皮膚の状態はさらに悪化し、マラセチア菌による皮膚病と診断されました。日本帰国後すぐに血液検査を受けましたが、結果は曖昧で、原因をなかなか特定することはできませんでした。高額な血液検査も試みましたが、結果は変わらず…。獣医師の勧めで療法食に変えてみましたが、海はそれを気に入らず、食欲不振に陥ってしまいました。食べることが大好きな海に、嫌いなものを無理強いするのは、飼い主として忍びなく、断念しました。
結局、アレルギーの検査結果は役に立たず、途方に暮れ、様々なフードを試した結果、海はアポキルを飲みながら、馬肉と鹿肉の手作り食で落ち着きました。
痛みも伴うアレルギーの検査や治療には、多大な時間と費用を費やしましたが、効果はほとんど得られず、むしろ、度重なる検査は、海にとって大きなストレスだったと、今になっては後悔しています。
このガイドは、私の経験を元に、愛犬のアレルギーに悩む飼い主さんのために作成しました。海のように、アレルギーに苦しむ愛犬たちが、少しでも楽に、そして幸せに過ごせるように。自然療法を中心とした、愛犬に優しいアレルギー改善方法をご紹介します。

2. アレルギーと不耐性の違い
愛犬が食物に異常な反応を示す場合、「アレルギー」と「不耐性」のどちらかである可能性があります。この二つは混同されがちですが、原因や症状、対処法が異なります。
アレルギー反応:免疫の過剰反応
アレルギーは、免疫システムが食物中の特定のタンパク質に過剰に反応することで起こります。 体は、そのタンパク質を異物とみなし、攻撃しようとします。その結果、ヒスタミンなどの化学物質が放出され、様々なアレルギー症状を引き起こします。
- 摂取後すぐに症状が現れることが多いですが、数時間~数日後に現れる場合もあります。
- 皮膚のかゆみ、発疹、呼吸困難、嘔吐、下痢など、様々な症状が現れます。
- 重症の場合、アナフィラキシーショックと呼ばれる命に関わる状態になることもあります。
不耐性:消化できないことによる不調
不耐性は、消化器系が特定の食物を適切に消化できないことで起こります。特定の酵素が不足していたり、特定の原材料に過敏であったりすることが原因です。
- 乳糖不耐症、グルテン不耐症、特定のタンパク質に対する過敏症などが一般的によく知られています。
- 下痢、腹痛、膨満感、ガスなど、主に消化器系に症状が現れます。
- 症状が現れるのは、数時間~数日後です。
- 通常、命に関わることはありませんが、慢性的な不調を引き起こす可能性があります。
見分け方
|
特徴 |
アレルギー |
不耐性 |
|
反応する体の部分 |
免疫系 |
消化器系 |
|
反応の速さ |
即時型(数分~数時間以内) |
遅延型(数時間~数日後) |
|
症状 |
じんましん、かゆみ、呼吸困難、アナフィラキシーなど |
下痢、腹痛、膨満感、ガス、頭痛、疲労感など |
|
重症度 |
命に関わる場合がある |
通常命に関わることはない |
|
原因物質の量 |
微量でも反応 |
比較的大量に摂取しないと反応しない |
|
検査方法 |
血液検査、皮膚プリックテストなど |
血液検査、呼気検査、除去食試験など |
3.アレルギーと不耐性、どちらが一般的?
混同されがちな「アレルギー」と「不耐性」ですが、アレルギーと不耐性は、どちらも特定の食品に対する体の反応ですが、反応のメカニズムや症状にも違いがあり、一般的には、不耐性の方がアレルギーよりも一般的です。
4. よくある不耐性症状
愛犬のアレルギーと不耐性反応は様々な症状で現れます。症状を見逃さず、適切な対応をすることが大切です。
- 皮膚症状: かゆみ、発疹、赤み、湿疹、脱毛、皮膚の乾燥、フケ、肉球の腫れやかゆみ
- 消化器症状: 下痢、嘔吐、軟便、便秘、鼓腸(お腹の張り)、過剰なガス、食欲不振、体重減少
- 呼吸器症状: くしゃみ、鼻水、咳、喘鳴(ぜいぜい)、呼吸困難
- 眼症状: 目のかゆみ、充血、涙、目やに
- 耳症状: 耳の感染症、炎症、かゆみ、耳垢の増加、悪臭
- その他: 元気消失、行動の変化(落ち着きがない、攻撃性など)、繰り返し起こる感染症
5. 原因を探る
原因を探ることは、症状を改善するために非常に重要です。原因物質を特定し、それを避けることで、愛犬の苦痛を和らげることができます。
主な環境要因
- 花粉: 春や秋に多く飛散する植物の花粉が原因となることがあります。
- ダニ: 家の中のダニは、一年中アレルギーを引き起こす可能性があります。特に、カーペットや寝具に多く生息しています。
- カビ: 湿気の多い場所に発生するカビも、アレルギーの原因となります。
- ノミ: ノミに刺されることで、アレルギー反応が起こることがあります。
- ハウスダスト: 家の中のホコリには、ダニの死骸やフン、花粉などが含まれており、アレルギーの原因となります。
- タバコの煙: タバコの煙に含まれる化学物質が、アレルギーを悪化させることがあります。
- 洗剤や柔軟剤: 合成洗剤や柔軟剤に含まれる化学物質が、皮膚を刺激し、アレルギー反応を引き起こすことがあります。
- 香水: 香水に含まれる香料が、アレルギー反応を引き起こすことがあります。
主な食物要因
- タンパク質: 牛肉、乳製品、鶏肉はペットフードでよく使われるタンパク源ですが、アレルギー反応を起こしやすい食材でもあります。小麦、大豆、トウモロコシなどの穀物も、消化不良を起こしやすく、不耐性の原因となることがあります。卵もアレルギー反応を起こしやすい食材の一つです。
- 炭水化物: 牛乳に含まれる糖分である乳糖は、子犬や子猫では乳糖を分解する酵素が不足しているため、下痢などを引き起こすことがあります。穀物(小麦、大豆、トウモロコシなど)は消化不良を起こしやすく、不耐性の原因となることがあります。
- 添加物: 人工着色料、香料、保存料などの添加物は、消化器系に負担をかけ、不耐性を引き起こす可能性があります。
- その他: マグロやカツオなどの魚や発酵食品に含まれるヒスタミンは、不耐症を引き起こすことがあります。高脂肪食は、膵炎などの消化器疾患のリスクを高める可能性があります。
6. 食物不耐性の原因を特定するには?
愛犬の食物不耐性の原因を特定することは、適切な食事療法を行う上で非常に重要です。主な方法としては、以下の二つがあります。
- 除去食試験: 疑わしい食品を一定期間、愛犬の食事から完全に除去します。症状が改善したら、除去した食品を少しずつ戻し、症状が再発するかどうかを観察します。これにより、原因となる食品を特定することができます。
- アレミッケ: 愛犬の毛を採取し、調べる検査です。痛みなしに多項目を一度に調べることができるため、効率的に原因を特定できます。検査結果を元に、原因となる原料・食品・環境要因を除去することができます。
7. 自然療法で改善!
自然療法は、愛犬の体への負担が少なく、副作用も少ないため、改善に有効な手段となります。除去食と併用し、ホリスティック獣医師に相談しながら試してみてください。
- 初乳: 母親の初乳に含まれる成分で、免疫システムを調整し、アレルギー反応を抑制する効果があります。特に、環境性アレルギーや季節性アレルギーに効果的です。
- キノコ: ベータグルカンと呼ばれる成分が、免疫細胞を活性化し、アレルギー反応を改善する効果があります。霊芝、シイタケ、冬虫夏草、ターキーテール、マイタケなどがおすすめです。
- ケルセチン: 果物や野菜に含まれる、天然の抗ヒスタミン剤です。アレルギー反応を引き起こすヒスタミンを抑制する効果があります。
- イラクサ: ヒスタミンを含み、「似たものは似たものを治す」という考えに基づいた自然療法です。アレルギー反応を抑制する効果があります。
- 重曹: かゆみや炎症を鎮める効果があります。重曹ペーストや重曹スプレーとして使用することができます。
- リコリス: 抗炎症作用があり、アレルギー症状を緩和する効果があります。中国医学やアーユルヴェーダ医学で古くから使用されています。
- アロエ: 炎症を鎮める効果があり、かゆみや皮膚の炎症を和らげます。アロエの葉のジェルを患部に塗布します。
- プロバイオティクス: 腸内環境を整え、免疫システムをサポートすることで、アレルギー症状を改善する効果があります。土壌ベースのプロバイオティクスがおすすめです。
- オメガ3: 抗炎症作用があり、アレルギー症状を緩和する効果があります。ヘンプシードオイル、アヒフラワーオイル、緑イ貝油などがおすすめです。
8. 従来の薬が効かない理由
従来のアレルギー薬は、免疫システムを抑制することでアレルギー反応を抑えようとします。しかし、これは免疫システム全体を弱体化させ、感染症やがんのリスクを高める可能性があります。また、薬の副作用で、かえって愛犬の体調が悪化してしまうこともあります。
9. アレルギー食の落とし穴
市販のアレルギー食は、一見、アレルギー対策に効果的のように思えます。しかし、実際には、加水分解タンパク質やデンプンなど、犬のアレルギーを悪化させる可能性のある成分が含まれている場合があります。また、酸化しやすい低品質の油や、充填剤が使われていることもあります。
10. 改善のためのヒント
改善するためには、以下の点に注意することが大切です。
- 食事に気を配る: 原因となる可能性のある食品を特定し、除去することが重要です。アレミッケ被毛不耐性検査をし、除去する食品をみつけ、除去食で体の調子を整えていきましょう。食材の品質にもこだわり、新鮮な食材を使った手作り食も検討してみましょう。
- 自然療法を試してみる: 自然療法は、愛犬の体への負担が少なく、副作用も少ないため、積極的に試してみましょう。このガイドブックで紹介した自然療法を参考に、個体に合ったものを見つけてください。
- 環境的要因を減らす: 原因となる要因を特定し、除去することが重要です。家の中を清潔に保ち、ダニやハウスダストを減らしましょう。定期的に掃除機をかけ、空気清浄機を使用したり、タバコの煙などにさらさないようにしましょう。洗剤や柔軟剤に注意し、無香料で天然成分のものを使用しましょう。
- ストレスを減らす: ストレスは症状を悪化させる要因となります。愛犬愛猫がリラックスできる環境を整え、ストレスを軽減してあげましょう。十分な睡眠、適度な運動、スキンシップを心がけましょう。
- 定期的な健康チェック: 定期的に動物病院で健康チェックを受け、愛犬愛猫の健康状態を把握しましょう。アレルギー以外の病気の可能性も考慮し、獣医師に相談しながら治療を進めていきましょう。
ガイドが、愛犬愛猫と飼い主さんの健やかな生活の支えとなれば幸いです。

アレミッケの検査で、体質に合っていない原料、適切なフードを調べてみませんか?
アレミッケ Amazon
アレミッケ 不耐性検査 Yahoo!ショッピング
アレミッケ 不耐性検査 楽天市場
株式会社 5Strands Japan 〒107-0061 東京都港区北青山一丁目3番1号 アールキューブ青山3階 info@5strandsjapan.com