フード選びの「常識」を疑ってみる
「うちの子、鶏肉アレルギーかもしれないから鹿肉に変えようかな」 ペットショップやネット上の情報では、鶏肉はアレルゲンになりやすく、鹿や馬などの「ノベルプロテイン(新しいタンパク質)」は安全だという定説が定着しています。
しかし、食物不耐性検査「アレミッケ(5Strands)」が実施した415名の最新統計データは、その常識を覆すものでした。
1. 415名の統計から見える「動物性タンパク質」の反応率
アレミッケの検査結果(レベル3:要停止項目)を動物性原料に絞って統計をとったところ、驚くべき結果が判明しました。一般的に「出やすい」とされる原料と「出にくい」とされる原料に、有意な差が見られなかったのです。
主要な肉類の反応率(不耐性レベル3 該当率)
| 原材料名 | 反応率(統計平均) |
| 鶏肉 | 23.78% |
| 肉牛 | 22.84% |
| 鹿肉 | 22.73% |
| 豚肉 | 25.52% |
| 馬肉 | 25.76% |
| カンガルー | 25.99% |
2. なぜ「鶏肉=アレルギー」というイメージがついたのか?
鶏肉が原因と言われることが多いのは、単に「鶏肉を原材料とするフードが圧倒的に多いから」という市場の背景が関係しています。母数が多い分、症状が出る個体数も目立つため、あたかも「鶏肉自体が危険」というイメージが独り歩きしてしまいました。
しかしデータが示す通り、原料そのものの「反応のしやすさ」に大きな差はありません。
3. 先天的要因と「食べたことがない肉」のリスク
「これまで食べたことがないから鹿肉なら大丈夫」という考えも、不耐性の観点では注意が必要です。不耐性は食べた経験に関わらず、先天的な体質や加工プロセスによって反応することがあります。
「なんとなく良さそう」というイメージでフードをローテーションするのではなく、データに基づいた個別の体質把握こそが、慢性的な不調(痒み・軟便・涙やけ)を解決する唯一の手段です。